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住宅ローン控除はいつまで利用できる?税制改正の背景から適用要件を解説

この記事では、住宅ローン控除はいつまで利用できるのかを解説していきます。

マイホームを購入する際は税制優遇措置の1つである住宅ローン控除を利用して、できるだけ返済負担を減らしたいと考えている人も少なくないでしょう。しかし、その利用期限には注意が必要です。

この記事では、住宅ローン控除の適用期間を税制改正の背景から要件まで、手続きに関すること、利用する際の注意点について詳しく解説していきます。

マイホーム購入で住宅ローンの利用を検討している人は、ぜひ最後までお読みください。

【この記事でわかること】
・住宅ローン控除はいつまで利用できるか
・住宅ローン控除を利用するための要件
・住宅ローン控除の手続きについて
・住宅ローン控除を利用する際の注意点
・住宅ローン控除に関するよくある質問

住宅ローン控除はいつまで利用できるのか

住宅ローン控除はいつまで利用できるのか

住宅ローン控除は2025年まで利用・申請できます。

2022年度の税制改正により、2021年に終了を予定していた住宅ローン控除の適用期限が2025年まで4年間延長されました。

これは、新型コロナウイルスの影響で低迷した経済の回復と、2050年カーボンニュートラルに向けた対応が背景です。

予定通り2021年に制度の適用を終了した場合、マイホームを購入する人が減り、日本経済がさらに落ち込んでしまいます。日本経済を下支えし、持ち直すためにも不動産への投資や支出が求められているためです。

また、制度が延長されたもう1つの背景に、カーボンニュートラルの実現があります。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出をゼロにする取り組みのことです。

生活していると、自然に温室効果ガスが排出されてしまうため、排出を抑制できるような省エネ住宅や太陽光発電が設置された住宅を増やす必要があります。

そこで2022年の改正では、省エネ基準が満たされた住宅を購入した場合、借入限度額の上乗せが可能になります。

※参考:住宅ローン減税|国土交通省

住宅ローン控除を利用するための要件

住宅ローン控除を利用するための要件

ここでは、住宅ローン控除を利用するための要件を新築住宅と中古住宅、リフォーム・増築に分けて紹介します。

・新築住宅の要件
・中古住宅の要件
・リフォーム・増築の要件

上記3点に関して、順番に見ていきましょう。

新築住宅の要件

新築住宅における住宅ローン控除の適用条件は以下の通りです。

・居住用であること
・住宅取得から半年以内に住み、制度を利用する年の12月31日まで住んでいること
・合計所得金額が2,000万円以下
・床面積が50㎡以上で、2分の1以上が居住用であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・住み始めた年を合わせた5年の間に、課税の特例などを利用していないこと

※参考:住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

新築住宅を購入する場合は、条件に当てはまっているかを確認しましょう。

中古住宅の要件

中古住宅は、新築住宅の適用条件を満たすことに加えて、次のいずれかの条件を満たす必要があります。

・1982年1月1日以降に建築された住宅であること
・新耐震基準に適合していることを示す耐震基準適合証明書などが必要

※参考:中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

中古住宅は、追加の条件も満たしているかを確認することが重要です。

リフォーム・増築の要件

リフォーム・増築で住宅ローン控除を利用する際は、自分が居住するための増改築であることが前提条件です。さらに、次の要件のいずれかを満たせば制度を利用できます。

・増築、改築、建築基準法に定められている大規模な修繕または大規模の模様替えの工事
・マンションなどの区分所有建物であれば、床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
・建築基準法施行令の構造強度などに関する規定または、地震に対する安全性に関わる基準を満たすための一定の修繕・模様替えの工事 など

※参考:増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

リフォーム・増築を検討している人は、新築住宅とは異なる上記の要件に当てはまるかを確認しましょう。

住宅ローン控除の手続きについて

住宅ローン控除の手続きについて

ここでは、住宅ローン控除の手続きについて紹介します。

・控除額の計算方法
・手続きに必要となる書類
・申請方法・手続きの流れ

順番に見ていきましょう。

控除額の計算方法

控除額の計算式は以下の通りです。

その年の住宅ローン控除額=年末の住宅ローン残高×0.7%

仮に、年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合、控除額は3,000万円×0.7%=21万円です。所得税から控除され、残った分は97,500円を上限に住民税から差し引かれます。

手続きに必要となる書類

住宅ローン控除を利用するには確定申告が必要です。その手続きに必要となる書類は、以下の通りです。

・確定申告書
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅ローンの年末残高等証明書
・源泉徴収票
・本人確認書類
・建物・土地の登記事項証明書
・土地・建物の不動産売買契約書、建物の工事請負契約書の写し

多くの書類が必要になるので、早めに準備を始めることが重要です。

※参考:マイホームを持ったとき|国税庁

申請方法・手続きの流れ

確定申告時の流れは、主に以下の通りです。

・必要書類を準備する
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書を使って控除額を計算する
・確定申告に必要事項を記入する
・書類を揃えて税務署に提出する

手続きに不安が残る人は、税務署窓口や市区町村の相談コーナーを利用しましょう。

住宅ローン控除の手続きはいつまでに必要?

住宅ローン控除の手続きはいつまでに必要?

ここでは、住宅ローン控除の手続きがいつまでに必要なのかを紹介します。

・初年度は確定申告の期日まで
・2年目以降は確定申告・年末調整まで

上記2点に関して順番に解説していきます。

初年度は確定申告の期日まで

住宅ローン控除を適用した初年度は、確定申告の時期である2月16日〜3月15日までに申請を行います。

年末調整をしている会社員でも確定申告が必要になるため、忘れずに行いましょう。

2年目以降は確定申告・年末調整まで

2年目以降は会社員であれば、年末調整で手続きが可能です。ただし、自営業の場合は2年目以降も確定申告をしなければなりません。

住宅ローン控除を利用する際の注意点

住宅ローン控除を利用する際の注意点

ここでは、住宅ローン控除を利用する際の注意点を紹介します。

・ふるさと納税との併用に注意する
・居住していない場合は適用外になる
・繰り上げ返済などにより適用外になるケースがある

上記3点に関して順番に解説していきます。

ふるさと納税との併用に注意する

住宅ローン控除はふるさと納税との併用が可能ですが、住宅ローン控除の初年度は住民税が控除対象となる『ワンストップ特例制度(※)』を利用できません。

また、所得税から先にふるさと納税の控除が行われ、そのあとに住宅ローンの控除が行われます。

住宅ローン控除であれば所得税から控除しきれなかった分は住民税から控除されますが、上限額を超えると切り捨てとなるため、税額軽減の恩恵を十分に受けられないおそれがあります。

その結果、ふるさと納税の自己負担額が増えることに注意が必要です。

※ワンストップ特例制度とは:
ふるさと納税をしたあとに、確定申告をしなくても寄付金控除が受けられる仕組み

※参考:簡単便利!ワンストップ特例制度とは?|ふるさとチョイス – ふるさと納税サイト

居住していない場合は適用外になる

住宅ローン控除は基本的に利用者本人が居住していることを前提とした制度のため、居住していない場合は適用外となります。

やむを得ない事情により本人が居住できない場合は扶養している家族が住むことで控除の適用が可能です。

繰り上げ返済などにより適用外になるケースがある

住宅ローン控除の適用要件には『返済期間が10年以上』と定められており、繰り上げ返済によって返済期間が10年を切ると適用外になるケースがあります。

金利負担を軽減することも大事ですが、受けられる控除総額も合わせて検討しましょう。

住宅ローン控除に関するよくある質問

住宅ローン控除に関するよくある質問

ここでは、住宅ローン控除に関するよくある質問を紹介します。

・住宅ローン控除の期間が終わるとどうなる?
・2025年以降は住宅ローン控除が受けられないって本当?

上記2点に関して順番に解説していきます。

住宅ローン控除の期間が終わるとどうなる?

住宅ローン控除期間が終わると所得税・住民税から控除されないため、住宅ローンの利息を全て支払うことになります。

無理のない範囲で一括返済や繰り上げ返済をして、利息を浮かせるとよいでしょう。

2025年以降は住宅ローン控除が受けられないって本当?

2022年の税制改正によって、2024年以降に建築確認を受ける新築住宅は、省エネ基準に適合すれば住宅ローン控除を適用できるとされています。

つまり、2025年以降に住宅ローン控除を利用するためには、省エネ住宅を建築することが必要です。

住宅ローン控除がいつまで利用できるかをしっかりと把握しよう

住宅ローン控除がいつまで利用できるかをしっかりと把握しよう

住宅ローン控除は2022年の税制改正により、適用期間は2025年までになりました。制度を利用するためには必要書類を準備し、確定申告で申請が必要です。手続き期間を守り、不備なく書類を提出しましょう。

四季工房ではお客様に合った資金計画をご提案し、安心して暮らせるサポートをしております。家を建てた後の住宅ローンの返済が不安な方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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