コラム
バリアフリー住宅のポイントは?配慮すべき場所や注意点も詳しく解説
高齢者や障害を持つ人が暮らしやすいバリアフリー住宅は、どのような点に配慮が必要なのでしょうか。
若くて健康なうちに家を建てる場合でも、家の造りをバリアフリーにしておくことで、高齢になっても長く快適に住み続けられます。
今回は、バリアフリー住宅のポイントについて、配慮すべき場所や注意点も押さえながら詳しく解説していきます。
そもそもバリアフリー住宅とは?
バリアフリー住宅とは、高齢者や障がい者が日常生活を送る中で、障害となるものをできる限り減らし、生活しやすくするための補助設備を導入した住宅のことです。
例えば、段差をできる限りなくしたり、必要な場所に手すりを取り付けたりすることで、よりスムーズな日常生活が送れるような造りになっています。
ユニバーサルデザインとの違い
バリアフリー住宅とよく似た言葉に、ユニバーサルデザインというものがあるので、意味の違いを理解しておきましょう。
ユニバーサルデザインは、年齢や障がいの有無に関わらず、すべての人にとって生活しやすいデザインであることを意味します。
主に高齢者や障がい者の生活のしやすさを目的としているバリアフリー住宅に比べて、ユニバーサルデザインはより対象とする範囲が広くなっているということです。
バリアフリー住宅のポイント4選
バリアフリー住宅を建てる際は、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
- ・床の段差を無くす
- ・転倒のリスクを減らす
- ・生活導線を考慮する
- ・住宅内での温度差を無くす
上記のポイントをしっかり把握しておくことが、バリアフリー住宅においてとても重要です。
床の段差を無くす
床の段差を無くすことは、バリアフリー住宅を建てる上で非常に重要なポイントです。
高齢者や障がい者にとっては、ほんの数センチの段差も日常生活の障害となります。
部屋と部屋の境目などにも、できる限り段差を作らないようにしましょう。
転倒のリスクを減らす
バリアフリー住宅では、転倒のリスクの軽減を意識することが重要です。
例えば、歩く際につまずかないように段差を減らすことだけでなく、廊下や玄関などに手すりを設けるなど転倒のリスクを減らす工夫をしましょう。
生活導線を考慮する
バリアフリー住宅にするためには、生活導線を考慮した家づくりをしましょう。
例えば、寝室からトイレまでの距離を短くするなど、家の中での移動距離をできるだけ減らす工夫をすることがポイントです。
住宅内での温度差を無くす
住宅内での温度差を無くすことで、ヒートショックの危険を防ぎましょう。
特に冬の時期は、お風呂に入る際の浴室の気温が低くなることで、ヒートショックの危険性が高まります。
身体に負担をかけないためにも、断熱材を十分に使用するなどの工夫をしましょう。
バリアフリー住宅で配慮すべき7つの場所
バリアフリー住宅において特に配慮すべき場所は、以下の7点です。
- ・玄関
- ・廊下
- ・リビング
- ・キッチン
- ・トイレ
- ・洗面所
- ・浴室
それぞれの場所でどのような配慮が必要であるか、詳しく見ていきましょう。
玄関
玄関は、できるだけ広めのスペースを確保することと、段差のない造りにすることがポイントです。
車椅子を使用している場合、一般的な玄関の構造では家の出入りが困難になります。
車椅子でもスムーズに出入りができるように、広めのスペースを確保し、高低差ができてしまう場合はスロープを設けて段差をなくしましょう。
廊下
廊下は、手すりを設置することと、広めの幅にすることがポイントです。
幅に関しては、車椅子がまっすぐ通れることだけでなく、方向を換える際の動作のしやすさも考慮しましょう。
また、手すりの設置とあわせて、照明のスイッチの位置についても、使いやすさを意識することが重要です。
リビング
リビングは、家の中で最も過ごす時間の多い場所であるため、段差のないフラットな造りを意識しましょう。
また、リビング全体の形もできるだけ凹凸のないシンプルな形状にすることで、リビング内での移動がよりスムーズになります。
キッチン
キッチンは、座った状態でも作業しやすいように、一般的な高さよりも低めにすることがポイントです。
また、いすや車椅子が入っても窮屈にならないよう、余裕を持った広めの空間を確保することも意識しましょう。
トイレ
トイレは、手すりの設置と広めのスペース確保が重要なポイントです。
また、万が一トイレの中で転倒してしまった場合を考慮し、外側からも鍵を空けられるようにしておくことも検討しましょう。
洗面所
洗面所は、座った状態で洗面台を使用することを想定して低めに設けましょう。
また、車椅子に座ったまま洗面台を使う場合、洗面台の下は収納スペースを設けずに空けておくのがポイントです。
洗面台の下に収納を設けると、車椅子では足がぶつかって使いにくくなるので注意しましょう。
浴室
浴室は、床が濡れることで特に転倒のリスクが高い場所であるため、手すりの設置と床を滑りにくい素材にすることがポイントです。
また、ヒートショックが起こりやすい場所でもあるので、気温差による身体への負担を減らすために、浴室暖房を取り入れることも検討しましょう。
バリアフリー住宅の4つの注意点
バリアフリー住宅を建てる際の注意点は、以下の4つです。
- ・なるべく一階で生活できる間取りにする
- ・駐車場から玄関までの動線にも気を配る
- ・車椅子が通行・回転できる幅にする
- ・使用する人の目線で間取りを考える
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
なるべく一階で生活できる間取りにする
バリアフリー住宅は、なるべく一階で生活できる間取りにしましょう。
バリアフリーを必要とする人にとって、階段の昇り降りは大きな負担となります。
毎日使うスペースはできるだけ一階にまとめることが重要です。
駐車場から玄関までの動線にも気を配る
バリアフリー住宅では、駐車場から玄関までの動線にも気を配りましょう。
駐車スペースが狭いと、車椅子での出入りが困難になってしまう可能性があります。
また、玄関にスロープを設ける場合は、スロープの向きにも注意が必要です。
車から玄関までの実際の移動をイメージして構造を考えるようにしましょう。
車椅子が通行・回転できる幅にする
バリアフリー住宅では、車椅子がスムーズに通行や回転できる幅を意識することが必要です。
特に、車椅子が回転する際は、より広いスペースを必要とします。
車椅子そのものの幅だけを考慮するのではなく、回転などの動作も意識するようにしましょう。
使用する人の目線で間取りを考える
使いやすいバリアフリー住宅にするためには、使用する人の目線で間取りを考えることが何より重要です。
照明のスイッチの高さや棚の高さなども考慮し、使用する人にとって不便な造りにならないように注意しましょう。
バリアフリー住宅に関するよくある質問
ここでは、バリアフリー住宅に関するよくある質問を紹介します。
- ・バリアフリー住宅に関する国・地方からの補助金はある?
- ・新築のバリアフリー住宅を建てるなら平家の方がいい?
それぞれ解説します。
バリアフリー住宅に関する国・地方からの補助金はある?
バリアフリー住宅を新築した場合や、バリアフリー住宅へのリフォームをした場合を対象とした補助金制度は複数あります。
補助金制度の適用条件や金額は、自治体によってさまざまなので、該当するエリアの制度を調べてみましょう。
新築のバリアフリー住宅を建てるなら平家の方がいい?
バリアフリー住宅を新築する場合、必ずしも平屋の方がいいとは言い切れません。
バリアフリー住宅に住むのが、高齢者や障がい者のみではなく、介護する側の人も同居する場合、お互いに程よい距離感を保つことも大切です。
介護する側と受ける側との距離感を程よく保つには、平屋よりも2階建ての方が快適であるというケースも少なくありません。
何階建てが理想的であるか、実際に同居する人同士で話し合って決めましょう。
使用する人のことを考えて住みやすいバリアフリー住宅にしよう
バリアフリー住宅を建てる際は、実際に使用する人の目線で考えることが非常に重要です。
毎日の生活を快適に送れるように配慮しながら、家づくりを進めていきましょう。
四季工房では、お客様の生活スタイルに応じて最適な家づくりのプランを提案いたしますので、バリアフリー住宅をご検討の際もぜひ一度ご相談ください。