コラム
住宅ローン3,000万円を組むのがきつい原因は?年収別のシミュレーションも
マイホームの購入では、多くの方が住宅ローンを利用していますが、長期間にわたる返済を考えると、借入額の決定には慎重な計画性が求められます。
そこで今回は、住宅ローン3,000万円を組むのがきつい原因について解説します。借入額の決定にお悩みの方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。
3,000万円の住宅ローンを組むことが可能な年収目安は400万円
住宅ローンの借入可能な額は年収の7〜8倍が目安ですので3000万円の住宅ローンを組む際の年収目安は400万円となります。
この場合、固定金利1.44%、返済期間35年とすると、年間返済額が109万となり返済負担率は27.3%になります。
フラット35の場合ですと、年収400万円未満の場合30%、400万円以上だと35%が借入条件とされているので、借入条件の範囲に収まります。
ただし、ボーナスを含む税込み年収で計算しているため、業績悪化によるボーナスの引き下げや、税金や修繕費などの住宅維持費用を考えると、ぎりぎりのラインといえるでしょう。
先々の生活に支障をきたさないためには、年収負担率を20%に抑えるのが理想です。
年収600万円以上であれば返済に余裕が持てる
年収600万円のケースでは、上記と同じ条件で返済負担率は18.6%まで抑えられるので、返済に余裕のあるプランといえます。
基本的に安定した収入が続くことを前提に返済プランを立てますが、収入が減ることもありますし、ライフイベントに合わせて支出の増加も考慮すると、3,000万円の借入には年収600万円前後が必要です。
3,000万円の住宅ローン返済がきつい原因4つ
3,000万円の住宅ローンの返済がきつくなる原因をまとめていますので、自分たちの返済プランをイメージしながら、家計に無理のないラインを探りましょう。
- 増税による支出の増加
- 世帯収入の減少
- 住居費用以外の固定費の支払い
- 教育費による生活の圧迫
順番に解説します。
増税による支出の増加
少子高齢化が進む日本では、消費税や社会保険料の負担増が今後も予想されます。
賃金が上がっても税負担が増えれば、実質的な所得が変わらない可能性もありますので、借入額は慎重に決めて下さい。
世帯収入の減少
出産などにより世帯収入が減少する可能性にも注意が必要です。
いずれは職場復帰するにしても、その間に返済が滞るリスクを避けなければなりませんので、ライフイベントを見越した計画が求められます。
住居費用以外の固定費の支払い
月々の返済以外にも、税金・修繕費用の積立・火災保険料などの固定費を想定しておかなければ、急な出費に対応できず、家計の破綻を招きかねません。
返済プランを立てる際は、家計を見直して、必要な支出を洗い出してまとめておきましょう。
教育費による生活の圧迫
教育費の増加により生活が圧迫される可能性にも注意して下さい。
進学のタイミングが重なると、一時的にかなりの負担増が予想されますので、予め教育費を積み立てておくなどの対応が求められます。
【年収別】3,000万円の住宅ローン返済負担率
返済負担率 | |
年収300万円 | 36.4% |
年収400万円 | 27.3% |
年収500万円 | 21.8% |
年収600万円 | 18.2% |
年収700万円 | 15.6% |
※固定金利1.44、返済期間35年、元利均等返済、年間返済額 1,091,712円で算出
年収別に、3,000万円を借入しようとした場合の返済負担率をまとめています。
- 年収300万円
- 年収400万円
- 年収500万円
- 年収600万円
- 年収700万円
順番に解説します。
年収300万円
上記の表から年収300万円では、年収負担率が30%を超えてしまい、3,000万円の借入はできないことが分かりますので、購入物件の見直しか、頭金の準備のために購入時期の変更を検討して下さい。
年収400万円
年収400万円のケースでは3,000万円の借入が可能です。
しかしながら、返済プランにゆとりを持たせるためには、借入額を抑える必要がありますので、頭金の準備を増やすことが必要といえます。
年収500万円
年収500万円のケースでは、年収負担率に少し余裕がでてきますが、頭金の準備を増やすことが望ましいです。
年収600万円
年収600万円のケースでは、3,000万円の借入に対して、返済負担率は20%以内に収まるため、頭金なしでの購入を検討しても問題ありません。
年収700万円
年収700万円のケースではさらに余裕が出てくるので、手元資金を貯めて繰り上げ返済を利用して、早期の完済を目指すことをおすすめします。
3,000万円の住宅ローンを無理なく返済するコツ
3,000万円の住宅ローンを無理なく返済するコツをまとめていますので、内容を把握して自分たちの資金計画の参考にして下さい。
- 繰り上げ返済で元本を減らす
- 返済期間を長期で組む
- 金利タイプにこだわる
順番に解説します。
繰り上げ返済で元本を減らす
一つ目のコツは、繰り上げ返済を積極的に利用することです。
繰り上げ返済分は元本に充てられるため、支払利息の圧縮に繋がり、総返済額を効率的に減らせることが理由に挙げられます。
返済期間を長期で組む
完済時の年齢を考慮した上で、返済期間を長期で組むこともコツの一つです。
将来年収が増えたタイミングで繰り上げ返済もできますので、まずは家計に無理のない返済プランを立てることをおすすめします。
金利タイプにこだわる
金利タイプにこだわることも忘れてはいけません。
総返済額を少しでも減らすのであれば、金利の安い変動金利がおすすめですが、将来の金利上昇リスクを排除したい方は固定金利も検討してみましょう。
3,000万円の住宅ローンを組む際のよくある質問
3,000万円の住宅ローンを組む際のよくある質問をまとめていますので、問題を自分たちに置き換えて考えてみましょう。
- 45歳で住宅ローン3,000万円を組むのはきつい?
- 頭金なしで3,000万円の住宅ローンを組むのは無謀?
- 住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザはある?
順番に解説します。
45歳で住宅ローン3,000万円を組むのはきつい?
年収次第ではありますが、完済時の年齢を考慮すると厳しいかもしれません。
完済時年齢は80歳未満が一般的ですが、定年後の収入低下を考慮すると、返済期間を20年前後に設定して、借入金額についても見直しをおすすめします。
頭金なしで3,000万円の住宅ローンを組むのは無謀?
年収次第ではありますが、必ずしも無謀とはいえません。
年齢が若い内はフルローンでの購入も珍しい話ではありませんが、収入と支出のバランスを取りながら返済プランを立てて下さい。
住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザはある?
裏技というほどではありませんが、繰り上げ返済の手数料や最低金額が少ない金融機関をおすすめします。
繰り上げ返済は時期が早いほど効果が高いため、手元資金に余裕があれば積極的に狙いましょう。
将来を見据えて住宅ローンの計画を立てよう
借入金額を決める際は、現在の年収や手元資金をもとに、毎月無理なく返済できるかどうかを考えることが重要です。
長い返済期間では、100%の予測はできませんが、ライフイベントなど将来を見据えて住宅ローンの計画を立てることをおすすめします。
四季工房では、お客様の現在と将来に配慮した資金計画を提案しています。家づくりでお悩みの方は、お気軽に住宅展示場へ足をお運び下さい。