コラム
注文住宅を建てるなら土地と施工会社どっちから先に決めるといい?
注文住宅は建売住宅と違い、土地と建物を別々に購入しなくてはなりません。しかし、その順番に関しては「どちらを先に決めるのが良いの?」と疑問に思っている方も多いはずです。
実は、土地と建物のどちらを優先するかで、それぞれメリット・デメリットがあります。
今回は注文住宅を建てる際、土地を先に決めるのか建物を先に決めるのか、どちらが良いのかについてご紹介します。失敗しない選び方については個々によって違うものの、どちらを先に決めるのかはあらかじめ判断しておくことが重要です。ここでは優先すべき理由などとともに解説するので、これから注文住宅を取得する方はぜひ参考にしてみてください。
この記事を読めば、土地と建物のどちらを先に決めるべきなのかがわかります。ぜひ、最後まで読んで検討してみてください。
注文住宅を建てる流れ
そもそも「注文住宅を建てる流れがわからない」という方もいらっしゃるでしょう。まずは簡単に注文住宅の流れについて以下で説明します。
1.予算を計算
2.構想の発案
3.土地選び・建物選び
4.業者への見積もり
5.仮契約
6.工事請負契約
7.着工
8.竣工
9.引き渡し
一般的な注文住宅の流れは上記が目安です。通常は予算を決めて構造を練り、その後に土地選びと建物選びを進めていきます。おおよその計画が決まったら業者に見積もりを出してもらい、仮契約と工事請負契約などを締結します。そこで問題がなければ着工に入り、順調に進めば数ヵ月~半年ほどで竣工となるのが基本です。最後に引き渡しが済み、いよいよ新生活が始まります。
今回の記事はその中でもステップの3番目である「土地選び・建物選び」について詳しくまとめます。具体的にどちらを優先して選ぶべきなのか以下の項目で順に説明するので、ぜひ事前に確認して入念な計画を立てていきましょう。
土地と施工会社のどちらから決めれば失敗しないのか?
土地は不動産会社から、建物は施工会社にそれぞれ対応してもらうのが普通です。しかし、どちらから決めるべきなのでしょうか?
まずは以下にて土地を先に決めるメリットとデメリット、建物を先に決めるメリットとデメリットを簡単にご紹介します。
土地を優先するメリット
・希望の地域を選べる
・近所の関係を避けられる
・教育機関や医療機関を見つけやすい
土地を優先して決める場合、希望の地域を選べます。人によって住みたい地域が異なるため、土地を優先することでより希望に合った生活が送れるかもしれません。新興住宅地を選べば、面倒な近所との関係を避けられる場合もあります。特に古くから存在する既存住宅地は近所付き合いが手間となるため、それを避けられるだけでも魅力は大きいでしょう。そのほか、土地を優先すれば教育機関や医療機関などが整った地域や、インフラが充実した地域も選べます。
土地を優先するデメリット
・予算を超えてしまいやすい
・条件が付いているかもしれない
土地を優先した場合、予算を超えてしまう可能性があります。やはり良い地域は地価そのものが高く、評価額も高いです。そのため、どうしても土地そのものの値段もそれなりにします。資金が潤沢で土地の価格を気にしないのであれば良いのですが、予算が限られている場合は注意が必要です。また、土地によっては条件が付いている場合もあります。その場合は工務店やハウスメーカーを自由に選べないということもあるでしょう。
建物を優先するメリット
・希望の工法を選べる
・設備や機材も合わせやすい
・節約にも向いている
建物を優先した場合は希望の工法を選べます。建物は数年~数十年と長期にわたって暮らすことになるため、構造や間取りを自分たちで決められることは重要です。たとえば、木造にするのか鉄筋コンクリート造にするのかだけでも違ってくるでしょう。そのほか、どのような工法で作るかによって出来上がる建物も異なるため、建物に関しては優先した方が良いという意見も多いです。これは導入する設備や機材などの面から見ても同様のことがいえるでしょう。なお、建物を優先すれば条件次第で節約もできるため、予算が限られている方にも最適です。
建物を優先するデメリット
・計画が進まないこともある
・生活に不便が生まれるかもしれない
建物を優先することで、計画が進まないことが稀にあります。そもそもどこに建てるか決めないことには計画も進まないため、希望する場所が売られていない場合は計画自体が頓挫することもあるでしょう。たとえば、地方なら比較的、空き地も多いですが、首都圏や都会では空地も限られます。また、場所を妥協してしまった場合、周辺の施設に不満が出てくることもあります。教育や医療だけではなく、そのほかのインフラも考えると生活自体への影響は避けられません。
建築会社を先に決めるのが良い理由
物件を手掛ける施行会社の中には工務店やハウスメーカーなどの専門業者があります。依頼する施行会社によって完成する物件は異なり、場合によっては向こう数年~数十年の生活に影響を与えることもあります。そのため、土地と建物どちらを優先して決めるのか迷ってしまう方も多いでしょう。しかし、結論としては施工会社を先に決める方が、後々、失敗しないことが多いです。
ここからは施工会社を先に決めるのが良い理由について1つずつ詳しく説明します。もちろん、選び方に正解も不正解もないので、自分が納得できる結論を導き出しましょう。あくまでもここで説明する内容は一例に過ぎないので、より自分たちの場合はどうすれば良いのかを考える一助としてご活用いただけると幸いです。
デザインを自由に決められるため
施行会社を先に決めることで、まずデザインを自由に決められます。土地を先に購入してしまった場合、その限られた土地の中に建物を建てていかなくてはなりません。当然ながら土地の条件によって建てられる建物も変わってしまうため、より理想の生活を送るためには建物を優先して決めた方が良いのです。
デザインが気に入らないことには生活していても満足できないことが多く、後になってから「やっぱりここはこうしたかった」という思いが発生しがちです。それでは理想の生活が遠のいてしまうため、先に施工会社を決めてデザインを出してもらい、自分たちの意見や声も取り入れてもらいながら計画しましょう。特に、先に建物のデザインを決めてしまえば、後はそれを建てられそうな土地を見つけるだけなので、むしろこの方法の方がより納得できる結果になりやすいです。
建材を自由に選べるため
施行会社によって扱っている建材が変わってきます。建材というのは家に使う材料のことなのですが、建材によって住宅の質も変わってきます。そのため、施行会社を優先して決めることで、建材もこだわるのがおすすめです。建材の質が良い物件は、その後、何年も何十年も快適に暮らせます。
逆に、建材によってはアレルギー反応が出てしまう人などもいるので、特に敏感な方は施工会社を優先して決めて、建材についても考えておくと良いでしょう。また、小さなお子様やお年寄りのいる家庭では、建材が心身に影響を与えることもあります。それらの点も加味して考えていくことが必要でしょう。
機能を充実させられるため
施行会社の中には自社開発した独自のスキルを活用して、より充実した機能を物件に搭載できる場合があります。住宅に関する機能というのはとても重要で、それによって家での住み心地が変わってきます。そのため、先に施行会社を決めてしまって、どのような機能を導入できるのか聞いておくのも良いかもしれません。
先に土地を決めてしまうと、どうしてもそちらに予算を割いてしまいがちで、家そのものの機能がおろそかになってしまうこともあります。極端な話、建物が粗末なものでは、せっかくの良い土地であっても暮らしの質は下がってしまいます。建物を優先して、より良い機能を取り入れるべきなのです。
生活を想像しやすくするため
生活をあまり想像しないまま計画を進めてしまうと、実際に新生活がスタートしてから後悔することも出てきます。 施行会社を先に決めて「自分たちがどのような生活を送りたいのか」ということときちんと向き合うことで、こうした失敗を避けることができます。単に「〇〇がしたい」という要望をリストアップするだけでも違ってくるため、施工会社と入念に打ち合わせしながら検討していきましょう。
掘り出し物の物件が見つかるため
施行会社の中には建築条件付き土地を取り扱っているところもあります。なかには、不動産会社が知らないような土地の情報を持っているところもあるかもしれません。
建物を優先すると土地が見つからなかった場合に困るという意見もありますが、建物を取り扱う施行会社がより良い場所を見つけてくれるケースもあるのです。このため、建物を優先することで掘り出し物の物件が見つかりやすくなり、一から建てる場合であってもより質の高い家になることが多いです。
もし注文住宅を建てる場合は、施行会社が指定する場所を選ぶことで、より良い結果になる可能性もあります。だからこそ、住宅選びは建物などを扱う施行会社を先に決めてしまった方が良いのです。
まとめ
注文住宅を建てる場合は、土地と建物のどちらを先に決めるのか迷ってしまう方も多いでしょう。実際には並行して不動産会社と施行会社に相談する方が多いでしょうが、上でご紹介したように、どちらかというと先に施行会社を決めてしまった方が後々に良い結果になりやすいといえます。
もちろん、どちらを先に選んでも施主自身が後悔しなければ、それが一番です。 ただ、どちらを優先すべきかを家族などでしっかり話し合う必要があるでしょう。それが夢のマイホーム、幸せな暮らしへとつながっていくはずです。