コラム
エアパス工法のメリット・デメリットを解説!1年中快適って本当?
本記事では、「エアパス工法」のメリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。
理想のマイホームづくりを始めるにあたり、建築工法の選び方は重要なポイントの一つです。最適な工法の選び方は、人それぞれ違います。理想の暮らしの基準は人それぞれですから、まずはどのような暮らしがしたいかを考えることからスタートしましょう。
その際に、日本の気候・風土、お住まいになる地域のことを考えたうえで、検討することをおすすめします。戸建て住宅の大部分は、在来工法による木造住宅です。
要因として、デザインや間取りに自由がきくこともありますが、木造住宅が日本の気候・風土に合っていることがあげられます。日本の高温多湿な気候は、お世辞にも快適とはいえません。デザインや間取りも大切ですが、快適で過ごしやすい環境は、より重要なポイントといえます。
そんな中で、高気密・高断熱の家という言葉を耳にする機会も多いと思います。高気密・高断熱は果たして日本の気候・風土に最適な工法なのでしょうか。
今回は一味違った切り口である、「エアパス工法」について解説していきます。少し耳慣れない工法かもしれませんが、ぜひお付き合いください。
環境への配慮や、自然との共生を考えた家作りに興味をお持ちの方に、ぜひともおすすめしたい方法の一つです。
エアパス工法とは?
エアパス工法は3つの特性を備えた工法であり、快適で過ごしやすい室内環境を実現します。
3つの特性とは、
・自然エネルギーを機械や設備なしで建物に取り入れる「パッシブソーラーハウス」
・外断熱工法の問題点を改善した「新・外断熱工法」
・壁体内を空気が流れ、温度差のない住まいを実現する「壁体内通気工法」
のことです。一番の特徴は、換気口の開閉により夏と冬で衣替えができることです。
冬は太陽熱で暖められた空気が壁の中を循環し、室内の温度差が少なく床もあたたか。
家を包む空気層で保温効果も得られ、暖房費も節約できます。
夏は熱気と湿気を外に逃がし、家の中は体にやさしい自然な涼しさ。冷房費も節約できます。
エアパス工法は、太陽熱や風など自然のエネルギーを利用する「ソーラーハウス」と「壁体内通気工法」を組み合わせた、身体にも環境にもお財布にもやさしい工法です。
エアパス工法のメリット
エアパス工法を用いた家での暮らしは、どのようなものになるのでしょうか。主なメリットは5点あります。
・メリット1.一年中快適な温度を保ちやすい
・メリット2.湿度をコントロールできる
・メリット3.室内空気が爽やかになる
・メリット4.各部屋の温度差を解消できる
・メリット5.建物の寿命が長くなる
以上、5点のメリットを詳しく解説します。
メリット1.一年中快適な温度を保ちやすい
エアパス工法は、壁体内の通気層に流れる空気をコントロールして、1年中快適な生活空間を実現します。
夏は「床下換気口」と「小屋換気口」を開きます。通気層内の空気が暖められ上昇することで、熱気と湿気が小屋換気口から排出され、同時に床下の涼風を引き上げる仕組みです。
冬は「床下換気口」と「小屋換気口」を閉めることで、太陽熱や生活熱で暖まった空気が壁体内を循環し、住まい全体を温度差なく温めてくれます。
このように夏と冬の切り替えで、それぞれの季節に最適な室内環境を作ることがポイントです。
メリット2.湿度をコントロールできる
エアパス工法では、木材(特に無垢材)が持つ調湿性はもちろんですが、壁体内を空気が循環しているため、床下や壁内の湿度を自然にコントロールする力があります。
快適な生活のためには、温度だけでなく湿度もコントロールする必要があります。
エアパス工法の働きにより、快適な湿度を保つことが可能です。
メリット3.室内空気が爽やかになる
エアパス工法は、室内の空気を爽やかにしてくれる点もメリットです。
高気密・高断熱の住宅は、床・壁・天井に断熱材を敷き詰めて、断熱性を高めており、空調設備の使用を前提としています。
一方、エアパス工法の住宅は、壁体内を空気が流れているため、圧迫感や息苦しさが無く、室内もさわやかな空気に包まれています。
メリット4.各部屋の温度差を解消できる
エアパス工法のメリットとして、使っていない部屋や水回りの温度差が解消できる点も見逃せません。
屋根や壁の中に通気層があり、その中を流れる空気が、南側と北側を循環することで、温度差を解消します。
エアパス工法は、住宅全体の温度を均一に保てるため、快適な室内空間を実現できるのです。
メリット5.建物の寿命が長くなる
エアパス工法は、建物の寿命も延ばすことが可能です。
建物を長持ちさせるポイントはずばり湿気対策。通気が悪く、換気をしない場合、湿気により室内の建材が痛み、建物の寿命を短くする原因となります。
エアパス工法で建物の寿命が長くなるのも、壁内の通気層に流れる空気により、湿気がこもりにくくなる工夫などをしているからです。
エアパス工法のデメリットはほぼない
エアパス工法のメリットだけ伝えて、デメリットを伝えないのでは説得力がありませんが、エアパス工法自体にデメリットはほとんどありません。
強いてあげるとすれば、屋根のデザインが一部限定される点でしょうか。
少し見方を変えると、エアパス工法は在来工法に、壁体内通気工法などを組み合わせたものであるため、職人さんのスキルにより住宅の品質に差が生じる可能性があります。規格標準化できない要素もあるので、仕方のない部分ではあるのですが、この点は注意が必要です。
つまり、在来工法と同様に、信頼できるハウスメーカー選びが重要になります。
このように、デメリットではありませんが、注意すべき点ではあります。
まとめ
エアパス工法は耳慣れない言葉であるかもしれませんが、ここまで読んで、快適なお家作りには欠かせないものであると、ご理解いただけましたでしょうか。
しかし、エアパス工法を用いるだけでは、本当に快適な住まいを作り上げることはできません。
「四季工房」では、「エアパス工法」「国産無垢材」「自然素材」にこだわった究極の住み心地を追求した家作りをしており、この3つに共通した考え方は、「自然との共生」です。
過度に工業化した高気密・高断熱住宅とは違い、程ほどの快適さに留め、家の外の自然環境に対して、穏やかに適応できる室内環境を大切に考えております。
快適な暮らしはもちろんのこと、環境への配慮や、自然と共生したお家づくりにご興味がありましたら、ぜひお近くの展示場へ足をお運びください。どんなに些細なお悩みにも、お客様に寄り添って提案させていただきます。